【モータースポーツ】マクラーレン、19年の育成ドライバーを発表。

4名のドライバー・デベロプメント・プログラム(DDP)

マクラーレンオートモーティブは2018年に続き、才能ある若手レーシングドライバーの育成に力を注ぐことを表明し、2019年の「ドライバー・デベロプメント・プログラム(DDP)」の参加メンバーを発表した。

2018年にスタートしたこのプロジェクトは、将来有望な若手ドライバーを選抜。サーキットの中でも外でも貴重な経験を積むことで、耐久レースで第一線を張れる次世代のマクラーレン ファクトリードライバーを育成することを目標に置いている。2019年のDDPに選抜されたのはジェイムズ・ドーリン(19歳)、ジョーダン・コラード(18歳)、ジョシュ・スミス(19歳)の3名。彼らは2018年DDPのメンバーで、同プログラムに残留して2シーズン目を迎えるルイス・プロクター(22歳)とチームを組む。

誇るべき結果を残したマクラーレンの育成ドライバー

「マクラーレンオートモーティブのドライバー・デベロプメント・プログラムが2年目を迎え、4名の優秀な若手ドライバーが2019年の戦力になると発表になり、嬉しく思っています。2018年に立ち上げたこのプログラムでは、若くて才能あるドライバーに、プロとなるためのレッスンを授け、その才能を伸ばしてモータースポーツでの大きな夢を実現することを目指しています」と、語るのは同社CEOのマイク・フルーウィット。

「2018年のドライバー、マイケル・オブライエン、チャーリー・ファグ、ルイス・プロクター、ジョーダン・アルバートは、プロとして集中的なトレーニングを受けた成果を活かして、優れた結果を残しました」

フルーウィットの言葉に嘘はない。2018年、4名の活躍には目を見張るものがある。英国GT選手権のGT4クラスでポールポジションを2度獲得し、レースカレンダーを通じて5回ものポディウムフィニッシュを遂げた。ファグ/オブライエンのドライビングクルーは、GT4ドライバーズタイトルにわずか2ポイント届かず、総合2位に留まったのだが、デビューイヤとしては望外の好結果だろう。

ドライビングだけでなく、広報活動にまで及ぶトレーニング

話を2019年のDDPに戻そう。未来を嘱望される4名だが、彼らの行く手には厳しいトレーニングが待っている。ファクトリードライバーから直接手ほどきを受ける栄誉を得られるとはいえ、年間を通じて各人にテーラーメードされたメニューを消化していき、達成度を数字で評価されることになる。

その過程でフィットネスや栄養学について学び、テレメトリーシステムからのデータを読んで理解する技術や、ピットとのコミュニケーション能力も鍛えられる。身につけるべきはレーシングドライバーとしてのテクニックだけではない。広報、マーケティング、スポンサーシップなど、マクラーレンオートモーティブが手掛けるビジネス全般の知識を教え込まれる。

若いとはいえ、4名ともカートやシングルシーターで実績のあるドライバーばかり。操縦技術だけでなく、様々な分野のスキルと運動能力を試す2日間にわたる選考を通過した精鋭だ。テスト項目には「540S GT4」を実際に操縦し、予選を想定した短時間でクイックラップを叩き出すテクニックと、耐久レースの本戦を想定した長時間にわたり安定したタイムで周回を重ねる能力も試されている。

マクラーレン570S GT4で実戦に挑戦

2019年、彼らは2人1組のペアを組み、2台のマクラーレン570S GT4で実戦に臨む。新たなシーズンに向けて4名に抱負を語ってもらおう。

「DDPの一員になれて胸躍る思いです。自分のキャリアをステップアップさせる絶好のチャンスであり、それをマクラーレンで実現できるのは恵まれた特権です。2019年は学ぶことが多い1年になりますが、初日から自信をもって上位を狙います」と、意気込みを語るのは、ジェイムズ・ドーリン。

ジョーダン・コラードは、「ずっとプロドライバーになるのを夢見てきました。マクラーレンから信じられないようなチャンスをもらい、夢の実現に一歩近づきました。マクラーレンはブランドとしても発展を続けています。そんな彼らと一緒にレースができることは名誉です」と、マクラーレンとのビッグプロジェクトに喜びを隠さない。

「マクラーレンのような歴史ある一流ブランドの一員になれました。自分に誇りを感じます。2019年1年を通じて、私のポテンシャルとスキルを100%デモンストレーションしようと思います。抜きん出たドライバーになるのが将来の目標です」と、ジョシュ・スミスは高い目標を掲げる。

2018年に引き続き、2019DDPに留まったルイス・プロクターは、ジョーダン・アルバートと組んでトールマン・マクラーレン570S GT4を駆って英国GT選手権に参戦。このクルーは、シルバーストーンとスネッタートンで2位入賞を果たす。特に後者はウィナーからわずか3秒遅れの力走だった。

「2019年もマクラーレンを代表することができて光栄です。経験豊富なコーチ陣やスタッフから学び続け、いずれは国際レベルのレースにマクラーレンで出走したいと思っています」と、プロクター。

将来のバトンやハミルトン誕生の可能性も

2019年のマクラーレンドライバー育成プログラムに選抜された3名はいずれも20歳以下の若者だ。新しい知識とスキルをスポンジのように吸収できるこの年齢で、マクラーレンのマシンに乗り、同社のスタッフから直々に教えを請うことができる彼らは、周囲からの大きな期待を背負っている。彼らのなかから、次なるジェンソン・バトンやルイス・ハミルトンが生まれるに違いない。

TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)